研究者業績

阪上 弘彬

サカウエ ヒロアキ  (Hiroaki Sakaue)

基本情報

所属
千葉大学 教育学部 准教授
学位
学士(教育学)(2011年3月 広島大学)
修士(教育学)(2013年3月 広島大学)
博士(教育学)(2016年3月 広島大学)

研究者番号
30791272
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0001-8941-1145
J-GLOBAL ID
201501005974479254
researchmap会員ID
B000245430

Dr. SAKAUE Hiroaki is an Associate Prof. for social studies education at Chiba University in Japan.


主要な論文

 58
  • 阪上 弘彬
    社会科教育研究 (146) 73-85 2022年9月  査読有り招待有り筆頭著者
  • Takumi Watanabe, Hiroaki Sakaue, Yu Osaka, Ryosuke Okada
    Geographical review of Japan series B 94(2) 49-64 2021年12月  査読有り
    This paper is a systematic review of scholarly articles published in Japan from 1989 to 2019 that discuss instruction regarding the formation of spatial cognition in the context of elementary school social studies. This study aims to examine the trends, transitions, and challenges of this field of research and clarify the backgrounds of these studies. Based on the results of the review, four research themes were determined: “objectives, principles, and curriculum,” “lesson design,” “maps and globes,” and “learning assessment.” For the continued development of this field, we assert the need for further research into (1) the construction of a lesson model that encourages participation in community development and its actual practices based on children's formation of their worldview; (2) collaboration between researchers and teachers to investigate actual situations and obstacles to teaching and propose strategies for teacher competence development based on evidence; and (3) assessment of the relationships between geography, geography education, and social studies, and consideration of curricula and learning instruction with respect to the formation of children's spatial cognition, via collaboration among researchers involved in these fields.
  • 阪上 弘彬, 渡邉 巧, 大坂 遊, 岡田 了祐
    人文地理 72(2) 149-161 2020年6月  査読有り筆頭著者責任著者
    欧米の地理教育・社会科教育では近年,古典的な地理情報システム(GIS)教育の代替案として提案された「空間的な市民性教育(Spatial Citizenship Education;以下 SCE)」が注目されている。本稿では文献研究を通して,欧米の地理教育・社会科教育における SCE の研究動向および特質を明らかにする。SCE では,空間,場所,スケール,権力,そして人間―環境関係といった地理の概念が重視されるとともに,社会的な意思決定プロセスに参加できる市民の育成が目指されている。その際に重要とされるのが地理空間情報や GIS をはじめとするジオメディアである。具体的な取り組みに関しては,初等・中等教育におけるジオメディアを用いた学習だけでなく,地理教師のためのコンピテンスや研修カリキュラムといった教師教育に関するものもみられた。SCE の動向の検討から,日本の地理教育・社会科教育においても,地理学者・地理教育の専門家と社会科教育の専門家によるそれぞれの専門性を踏まえた SCE 研究,教師教育の推進が不可欠である。
  • 阪上弘彬, 川端光昭
    E-journal GEO 13(2) 549-559 2018年12月  査読有り
    近年,地理と土木の連携が注目されており,また土木技術者の育成において地理を学ぶことの重要性が指摘されている.本稿の目的は,高等専門学校(以下,高専とする)における地理と土木が連携したモビリティ・マネジメント教育(以下,MM教育とする)の学習単元開発・実践を示すこと,およびそれを踏まえて高専地理が土木と連携してMM教育に取組む意義について示すことである.岐阜市におけるコンパクトシティ構想を題材に,政策提案者の立場から,LRT導入の影響を持続可能な開発の観点から判断し,交通政策を提案する学習単元を開発し,実践した.開発・実践を踏まえて,地理が土木と連携してMM教育に取組む意義として,土木技術者の育成と公民的資質の涵養双方に貢献できる点,地理の学習成果が土木の学習においても活用できることを学生に気付かせることができる点,街づくりをより実社会のやり方に即して学習することができる点を指摘した.
  • 阪上弘彬
    広島大学 2016年3月  査読有り筆頭著者

MISC

 44
  • 阪上 弘彬
    日本地理学会発表要旨集 2024s 168 2024年  
    1.はじめに 地誌学習は小学校から高校に至るまでどのような連続性のもとで構成され,また地誌学習は何のために,何を,どのように教えられるべきか.上記の問いを考えるため,本発表ではドイツの地理カリキュラムの実態を報告する.なお発表では,ラインラント=プファルツ州(以下,RP州)における初等・中等地理カリキュラム(Ministerium für Bildung, Wissenschaft, Weiterbildung und Kultur RP, 2015, 2021, 2022)を取り上げる. 2.ドイツの地理教育における地誌学習 地理教育では地誌に相当する用語は主に地域地理Regionalgeographieが用いられ,「地球表面の特定の部分空間または国家,州,州の一部もしくはより広い関連ある空間ないしは文化的部分のような社会的空間構造の研究および説明」を意味している.また中等地理教育を対象とした『ドイツ地理教育スタンダード』(DGfG 2017)では,コンピテンス領域「空間定位räumliche Orientierung」において地誌に関連した知識や技能のスタンダードが設定されている. 3.初等教育および中等教育における地誌(的)学習 初等では地誌的学習は,統合的教科の事実教授Sachunterrichtの中に位置づけられる.初等の地誌的学習の方向性としては,現実,仮想,私的,公的空間Raumの相違点,特徴的な空間的事象の把握を通じて空間を探検,気づく,その中での自身の位置がわかること,が示される. RP州では中等教育前期と後期を通じて地理,歴史,日本の公民的分野に相当するゾチアルクンデSozialkundeが統合された教科が採用される.前期中等教育において5/6学年では特に空間的体系,7/8学年では地図コンピテンスと空間認知,9/10学年では空間認知と空間構築が中心となり地誌学習が設計される.一方後期中等教育では,地球的課題をテーマにカリキュラムが構成され,地誌に直接かかわる学習領域は設定されていない.しかしながら,事例空間やそのスケール選択において偏りが出ないような配慮がなされている. 4.暫定的な結果 初等教育から中等教育にかけてドイツの地理教育は,「人間―環境関係に気づき,分析し,評価する,そしてこれに基づく空間に関連した行為コンピテンスを発展させ,実行に移すことができる人物の育成」(Hemmer 2013, S.99)を目指す.その中で地誌(的)学習は,初等教育では空間を学ぶことに関する導入的な学習,前期中等教育では学年が進行することに空間を認知・構築する学習が重視され,後期中等教育においては地誌に関わる学習は設定されていないが,事例空間の選択肢を示すことで学習で扱う空間に偏りが出ないようになされている.またカリキュラムの連続性については,①同心円的拡大よりもさまざまな空間およびそのスケールの選択,②コンピテンス志向による各学校段階で重視される学習目的および学習プロセスの違い,などが見受けられた.
  • 阪上 弘彬
    学校教育 (1270) 112-115 2023年10月  招待有り筆頭著者
  • 桑原 敏典, 阪上 弘彬
    社会系教科教育学研究 (34) 91-94 2022年  
  • 阪上 弘彬
    房総研究 : 千葉地理学会誌 / 千葉地理学会 編 (59) 52-54 2022年  
  • 阪上 弘彬
    日本地理学会発表要旨集 2022s 58 2022年  
    本研究は,ドイツの中等社会科教科書における学習単元「気候変動」の分析を通じ,「気候変動」の特質およびそこでみられる防災学習の特徴を明らかにし,日本の中等社会系教科における防災学習への示唆や提案を試みるものである. 気候変動教育は,「人々に変化の行為者として行動するために必要な知識,技能,価値観,態度を与えながら,人々が気候危機の影響を理解し,対処することを支援する」ものであり, ESDの中で取り組まれる(UNESCO n.d.).環境先進国で知られるドイツにおいても,連邦教育・研究省(BMBF)のESDを説明したウェブサイトにおいて,ESDのテーマの1つとして「気候」が紹介され,気候変動対策における教育の役割が指摘されている(BMBF n.d.). ドイツでは各州の社会系教科カリキュラムで「気候変動」が学習テーマとして掲げられていることが多い.たとえば,統合型社会科(ゲゼルシャフツレーレ)を前期中等教育の全学校種で採用するNW州では,学校種で文言は多少異なるものの,「天気と気候」「エネルギー供給と気候保全」などの学習領域において「気候変動」が言及されている.また気候変動に関わる学習テーマは,中等教育第9・10学年(日本の中学校3年,高校1年に相当)に配置される場合が多く,前期中等教育のまとめの学習に相当するテーマとして位置づけられていると考えることもできる.加えて授業実践,特に地理では,学習手法ミステリーを用いて気候変動教育が取組まれていることが高橋・ホフマン(2019)によって報告されている. 「気候変動」が収録されたProjekt G Gesellschaftslehre(以下,Projekt G)は,「地理」,「歴史」,「政治・社会・経済」(以下,便宜上「公民」)の3領域が統合される形で編成される3巻1セットの教科書である.「気候変動」は,3巻の10番目に当たる.単元「気候変動」は,9つの小単元から構成される.期待されるコンピテンシーからみると本単元は2つのパートに分けることができる.1つは,シナリオ作成という手法等を用いて気候変動の原因および身近な地域および地球規模への影響を探究するパートであり,もう1つが気候変動への政治的対策を吟味,判断するものである. 防災学習の視点からみた単元の特徴として,以下の4点が指摘できる.1つ目が,地球規模で自然災害の発生や影響の関連性を考える点である.2つ目が,1つ目の特徴と関わるが,システム思考の育成・活用が意図されている点である.3つ目が,長期的視野に立ち,今後の自然災害の発生や被害を予測する学習過程である.4つ目が,気候変動の結果を探究したうえで,政治的決定や行動を吟味したり,判断したりする学習過程である.日本の社会系教科における防災学習に対する示唆を提示する.1つが,個々の自然現象・災害を扱う学習に加え,「気候変動」のという観点を入れ自然災害間のつながりを考える学習が必要である.2つが,将来起こりうる自然災害の規模や被害を長期的視野から予測する学習の導入である.前述と関連して,ミステリーやシナリオ作成といった学習手法を導入することもまた必要である.
  • 阪上 弘彬
    日本地理学会発表要旨集 2022a 87 2022年  
    本研究は,ドイツの地理教授学に関わる研究雑誌のレビューを通じて,ここ10年(2012~2021年)の地理教授学におけるESDの研究動向について報告することを目的とする.本研究では,「地理教授学高等教育連盟(Hochschulverband für Geographiedidaktik, HGD)」の発行する『地理教授学雑誌(Zeitschrift für Geographiedidaktik, ZGD)』(2004年までは『地理と地理教授学(Geographie und ihre Didaktik)』)をビュー対象とした.HGDは,1971年設立のドイツ語圏の高等教育機関に属する研究者が加入する組織であり,上記の雑誌の発行以外に,研究大会の実施や学会独自の地理教育スタンダードの作成にも関与している.表1は,ここ10年の発行状況を示したものであり,90本の論文(Editorial等は除外)が掲載された(ZGD n.d.).ESDの研究論文として,13本が得られた(表1).著者としては,Péter BAGOLY-SIMÓ(ベルリン・フンボルト大学)が最多で,3本(共著含む)の論文に関わっていた.発行年別の掲載数でみると,最多が2020年の5本で,次いで2014年の3本であった. ESDに関わる研究テーマとして「気候変動」,「システム思考/コンピテンシー」,「教師や生徒の実態把握」,「カリキュラム比較」等がみられた.また研究方法(アプローチ)でみると,原理研究,カリキュラム研究,実証研究等があり,とくに実証研究が多かった. 「国連持続可能な開発のための教育の10」の最終年である2014年には,ESDの実施状況を把握・評価する論文が掲載されるなど,新たな理論等の提案だけでなく,実施による効果や現状を評価する論文が掲載されることもある.今後の課題として,レビュー対象を『地理教授学雑誌』に絞り,かつ10年間のみとしたことから,レビュー対象の雑誌を増やすこと等があげられる.『地理教授学雑誌』は理論・実証が中心となる雑誌であるため,実践に関わる動向もレビュー対象とするならば,阪上(2022)が述べるように教科書会社や教師協会が発行する教育雑誌も検討対象とする必要がある.
  • 阪上弘彬
    地理 66(7) 100-100 2021年7月1日  
  • 志村喬, 秋本弘章, 永田成文, ニコラ・ウォールシュ, 金 玹辰, 山本隆太, 伊藤直之, 広瀬悠三, 阪上弘彬
    E-journal GEO 16(1) 191-194 2021年6月26日  
  • 阪上弘彬
    地図情報 40(4) 38-38 2021年2月1日  招待有り
  • YOSHIMIZU Hiroya, SAKAUE Hiroaki
    The Journal of Social Studies Education in Asia (10) 1-1 2021年  
  • Sakaugchi Masayasu, Tsuda Seisuke, Ikeda Masafumi, Yamamoto Shinya, Tokushima Yuya, Sakaue Hiroaki, Izumimura Yasuji
    PROCEEDINGS OF THE 8TH JAPAN-CHINA TEACHER EDUCATION CONFERENCE 1-14 2020年3月  
    The purpose of this study isto introduce and discuss the development and implementation of the graduate-level teacher training,in collaboration with the prefectural programme. In doing so, this study focuses on the attempt of developing and implementing the graduate-level teacher training programme named “Educational Issues Training (Implementation of “Learning Cycles for Teachers”),” which was organised by the Hyogo University of Teacher Education,in collaboration with the Hyogo Prefectural Institute for Educational Research and In-service Training in 2019. Specifically, this study explains the characteristics of the programme, and discusses the evaluation of it by analysing the interviews with the instructors and the participants, and the questionnaires with the participants. In the discussions, this study addresses the following results; a) the instructors and the participants both believed that it was difficult to understand the concept of the reflection based on the ALACT model on the first day but it was possible on the last day of the programme, b) the instructors and the participants both believed that it was meaningful to use the topics of inclusive education and multicultural coexistence for learning about the reflection, and c) the programme may have been effective in offering opportunities for participants to reflect on their experiences with teachers with diverse backgrounds. In conclusion, this study indicates three hypothesises related to the above three results and points out that it will be necessary to analyse and consider these hypothesises from various points of view in the future study.
  • 阪上 弘彬
    日本地理学会発表要旨集 2020 179-179 2020年  
    1.3者の考える地誌学習の方向性 本公開講座では「世界地誌学習の新たな方向性—東南アジア・オセアニア—」と題して,地誌学を専門とする地理学者,新学習指導要領(カリキュラム)の作成に関与する地理・社会科教育学者,授業(構成)論の提案に携わる地理・社会科教育学者,の3者が各立場から新たな方向性をめぐって具体的な提案がなされる予定である. 本公開講座は,表立って掲げられていないものの「何のために地誌を教えるのか」,「どのように地誌学習を構成するべきか」,「○○地域を扱う地誌学習では何をどのように教えるべきか」,といった地誌学習(研究)に投げかけられてきた問いに答えるものだろう.これらの問いに対してこれまでにもさまざまな研究者や教師によって,この答えが示されてきた.たとえば,地理学者・地理教育学者の中山(2000)は日本国内外の地域や国の特色の理解を通した国民意識や国家意識の形成に,社会科教育学者の岩田(2001)は子どもに自分の立ち位置を明確にさせること(帰属意識の形成)に地誌学習が寄与できることを主張している.一方で海外の地理教育に目を向けた場合,地誌を地理教育で扱わない国もあり(井田 2014),イギリスにおいては論争が起こっている(伊藤 2012を参照のこと).このような国内外で地誌学習をめぐる議論があるなかで,3者は地誌学習の新たな方向性をどのように主張されるだろうか. 2.3者が互いの立場に対して期待する役割 筆者の専門とするドイツ地理教育では,地理学者Wardenga(2002)によって新たな地誌学習の方法である4つの空間概念Raumkonzeptが提唱されるなど,地理学者からの積極的なアプローチがみられる.また近年アメリカ合衆国では,地理学,地理教育,社会科教育の専門家が各々の強みを生かして協働し,地理教育に関わる必要性が主張される(Shin and Bednarz 2019).当然ながら地誌学習の新たな方向性を切り開くためには地理学者だけでなく,地誌を教える教師を含め,地理学者,地理教育,社会科教育学の専門家間での協働が不可欠である.世界地誌学習の新たな方向性をめぐり,3者は自身の役割としてどのようなことを考えられているだろうか.また互いの立場に対してどのような役割を期待されているだろうか. 3.地誌学習の意義や必要性 3者は異なる立場から,共通テーマである「世界地誌学習の新たな方向性」を提案することになる.当然ながら3者なりの「(世界)地誌の意義や必要性」がその提案の基礎にあるはずである.3者の述べる意義や必要性はどのような点で共通し,どのような点で異なってくるだろうか.公開講座当日は,3者による報告および前述の内容を踏まえてコメントや論点を示す予定である.
  • 阪上 弘彬, 山内 洋美
    日本地理学会発表要旨集 2020 256-256 2020年  
    2018年告示の高等学校学習指導要領では,「地理総合」が新設された.「地理総合」は,持続可能な社会づくりを学ぶ科目として,ESDへの取組みが一層重視される.しかし「持続可能な開発という概念が学習者および教員に理解されないまま,授業で実践されている可能性がある」(阪上 2016).つまり,持続可能な社会づくりを視野に入れた地理学習では,持続可能な開発の考え方を学習内容として扱う必要がある.本発表では,持続可能な開発の考え方を学ぶ地理学習の開発およびその実践の流れ(学習活動),結果と課題を報告するものである.開発した授業は,3年生向けで地理Bの単元「現代世界の諸課題」(28時間)および地理Aの単元「日本の自然環境をベースとした地域調査」(19時間)の中に位置づけ,2020年1月に実施した.なお持続可能な開発を学ぶ学習を,地理Bでは2時間,地理Aでは1時間かけて実践した. また,本授業では持続可能な開発の考え方を獲得させる際に,図1「持続可能性のトライアングル」を用いた(トライアングルの詳細は阪上・川端 2018を参照).授業の流れ,結果と課題授業の流れ(学習活動)は,①持続可能な社会という状態の確認(持続可能なトライアングルの概要;環境・社会・経済のバランス),②各班でこれまでの学習で調べた現代的諸課題の確認とその解決策の提案,③持続可能なトライアングルを用いて,解決策が対象地域に将来与えるであろう正負の影響の記述,④③で記述した内容を踏まえた解決策の評価,⑤④の評価を踏まえた解決策の改善あるいは代替案の提案,であった.なお地理Aでは1時間で実施したため,学習活動は④までにとどめた.持続可能なトライアングルを用いることで,持続可能な状態を視覚的に捉えていた生徒が多かった.また影響の記述(学習活動③)に関してはどの班もできていたが,書き出された影響の数は,班が選択した現代諸課題や解決策によって差がみられた.
  • 阪上 弘彬
    地理 64(11) 117-117 2019年11月  筆頭著者
  • 泉 貴久, 河合 豊明, 阪上 弘彬, 今野 良祐
    地理科学 74(3) 192-197 2019年  
  • 泉 貴久, 河合 豊明, 阪上 弘彬
    地理科学 74(3) 105-106 2019年  
  • Hiroaki Sakaue
    The Journal of Social Studies Education in Asia 8 35-38 2019年  筆頭著者
  • 阪上 弘彬
    日本地理学会発表要旨集 2019 2019年  
    2017・2018年告示の学習指導要領では「資質・能力」の形成が強く意識された.一方で,初等・中等教育を通じた教科の専門性を踏まえた資質・能力の在り方については現在も議論されている.本発表では,上記の議論のための基礎資料を提供するために,コンピテンシーに基づくカリキュラム改革に早くから取り組んできたドイツに着目し,教育スタンダードの検討から,初等・中等教育を通じてどのような地理的コンピテンシーの育成を目指しているのかを明らかにする.</p><p>2. ドイツ初等・中等地理学習に関する教育スタンダード</p><p> 初等の教育課程において地理は明確に位置付けられてはいない.事実教授(Sachunterricht)の中で「地理的視点」が設定され,そこで地理に関連した学習が展開している(阪上ほか 2019).『事実教授の展望枠組み(Perspektivrahmen Sachunterricht)』(以下,事実教授スタンダードとする)は事実教授学会(GDSU)によって作成され,現在は第2版(2013年)が公開されている.中等の地理は,独立科あるいは社会科のなかに位置づけられている.『ドイツ地理教育スタンダード(Bildungsstandards im Fach Geographie für den Mittleren Schulabschluss)』はドイツ地理学会(DGfG)によって提案され,現在は2017年公表の第9版が最新である.3. コンピテンシーの構造(枠組み)『事実教授スタンダード』では「視点にかかわるコンセプト・テーマ領域」と「視点を網目状に結びつけるテーマ領域・問題設定」,および「視点にかかわる思考・活動・行動方法」と「視点を横断する思考・活動・行動方法」という二面的開示モデルが採用されている(原田,2014).一方で『ドイツ地理教育スタンダード』では6つのコンピテンシーの領域(「教科専門」「空間定位」「認識獲得/方法」「コミュニケーション」「判断/評価」「行動」)が設定され,各領域は相互に結びつき,空間形成能力地理の目標を一体的構造的に関係づくるものとして捉えられている(服部,2007).4. 特徴</p><p> 地理学習では「『人間―環境』関係に気づき,分析し,評価する,そしてこれに基づく空間に関連した行動コンピテンシーを発展させ,実行に移すことができる」人物の育成を目指しているHemmer(2013: 99).そのなかで地理的コンピテンシーに関しては,初等・中等地理学習ともに①空間における人間と自然の関係,②地図の取扱いを含む空間定位に関するコンピテンシーの育成が意図されている.また初等段階では,とくに②に関する育成の重点が置かれていた.
  • 阪上弘彬, 川端光昭
    日本地理学会発表要旨集 (94) 147 2018年9月10日  
  • 南埜猛, 阪上弘彬, 吉水裕也, 安永虎吉, 松岡茉奈, 森清成, 小林毅郎, 石井瑛之
    日本地理学会発表要旨集 (94) 146 2018年9月10日  
  • 南埜猛, 阪上弘彬, 吉水裕也
    地理科学 73(2) 86 2018年6月28日  
  • 山本隆太, 阪上弘彬, 泉貴久, 田中岳
    日本地理学会発表要旨集 (92) 192 2017年9月10日  
  • 阪上弘彬, 山本隆太
    日本地理学会発表要旨集 (91) 224 2017年3月  
  • 阪上弘彬, 阪上弘彬
    日本地理学会発表要旨集 (89) 55 2016年3月10日  
  • 小出美由紀, 阪上弘彬, 阪上弘彬
    日本地理学会発表要旨集 (88) 166 2015年9月10日  
  • 阪上弘彬
    地理科学 69(2) 97 2014年8月  
  • 阪上弘彬
    日本地理学会発表要旨集 (85) 230 2014年3月10日  
  • 久保倫子, 由井義通, 益田理広, 石坂愛, 神文也, 川村一希, 羽田司, 矢ケ崎太洋, 阪上弘彬
    日本地理学会発表要旨集 (85) 252 2014年3月  
  • 久保倫子, 由井義通, 阪上弘彬, 益田理広, 石坂愛, 神文也, 川村一希, 矢ケ崎太洋
    人文地理学会大会研究発表要旨 2013 108-109 2013年11月  
  • 張育慶, 由井義通, 阪上弘彬, 杉谷真理子, 森玲薫
    日本都市学会大会発表要旨集 60th 73-74 2013年10月16日  
  • 久保倫子, 由井義通, 阪上弘彬
    日本都市学会大会発表要旨集 60th 77-78 2013年10月16日  
  • 阪上弘彬
    日本地理学会発表要旨集 (84) 134 2013年9月10日  
  • 由井義通, 阪上弘彬, 杉谷真理子, 森玲薫, 久保倫子
    日本地理学会発表要旨集 (82) 72 2012年9月  

主要な書籍等出版物

 15
  • 関浩和, 吉川芳則, 河邊昭子 (担当:分担執筆, 範囲:持続可能な社会に向けた社会系教科教育研究の成果と展望)
    風間書房 2024年3月 (ISBN: 9784759925050)
  • 兵庫教育大学連合大学院・防災教育研究プロジェクトチーム (担当:分担執筆, 範囲:第3章1 中等社会系教科における防災学習の動向ー3.11後の研究を対象にしたシステマティックレビューー)
    協同出版 2021年3月 (ISBN: 9784319002566)
  • 地理教育システムアプローチ研究会編, 山本 隆太, 阪上 弘彬, 泉 貴久, 梅村 松秀, 河合 豊明, 中村 洋介, 宮﨑 沙織 (担当:編者(編著者), 範囲:国際地理学連合・地理教育委員会とユネスコの指針にみるシステムの考え方)
    古今書院 2021年3月
  • 阪上弘彬
    古今書院 2018年2月 (ISBN: 4772253068)
    本書はESD先進国であるドイツ連邦共和国の地理教育を対象に,地理教育改革においてESDが果たす役割を明らかにする。日本学術振興会出版助成図書。書評紹介:荒井正剛先生(東京学芸大)『地理』63(7)、2018;田部俊充先生(日本女子大)『社会科教育研究』、134、2018;永田成文先生(三重大)『社会科研究』、89、2018、西脇保幸先生(横浜国立大・名誉)『地理学評論』、92(1)、2019;吉水裕也先生(兵庫教育大)『社会系教科教育学研究』、30、2018

講演・口頭発表等

 92

担当経験のある科目(授業)

 20

所属学協会

 12

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

 13

社会貢献活動

 2

その他

 1
  • 2024年2月
    本文献リストは、「社会系教科ではESD実践に関わる研究はどのようなテーマのの下で、何が明らかにされてきたのか」というリサーチ・クエスチョンのもとで実施したシステマティックレビューにより特定されたレビュー対象35件の書誌情報、テーマ、研究目的、方法等を整理したものである。 書籍名:『レリバンスの構築を目指す令和型学校教育』 章タイトル:第Ⅳ章 令和型学校教育を創る新たな開発視点、 節タイトル:第5節 持続可能な社会に向けた社会系教科教育研究の成果と展望 なおダウンロード用のパスワードは註(3)に記載しています。