世界の後発発展途上国は、いかにして政治的経済的な発展軌道に乗ることができるのか、あるいはできないのか。このことを、特に破綻国家・脆弱国家とも称される国々に焦点をあてながら、一次産品、農業、紛争、開発、資源の呪い、平和構築、国家建設、グローバリゼーション等の観点から、政治経済学的に考えることに、取り組んできました。
具体的には、こうした大きな研究関心を、以下の3つの研究領域で具体的に深めてきました。
第一は、破綻国家・脆弱国家や、そこでの人間の安全保障に関する研究で、これをグローバリゼーションと呼ばれる世界政治経済の構造変動と関わらせて、検討してきました。
第二は、発展途上国にとって重要な一次産品について、その生産・流通・加工・消費の実態を、世界経済とのかかわりの中で捉える研究で、具体的にはコーヒー、石油、カカオを取り上げて、分析を進めてきました。
第三は、上の第一と第二の領域に大きくかかわる場所としてのアフリカの政治経済研究で、最近は、主に農業・食糧の側面からアプローチしています。
専攻は「国際経済学(国際政治経済学)、開発学」、専門領域は「途上国政治経済論、一次産品経済論、国際開発とグローバリゼーション」。経済学者ですが、国際政治学(国際関係論)とのかかわりの多い研究領域を手がけています。
本務校では、学部唯一の経済学の教員として、国際経済学(貿易・金融・開発)のほかに、世界経済史、途上国経済、食糧・農業、エネルギー、雇用・労働、社会保障、金融、財政など、かなり多様な領域を講じてきました。研究者としては、日本国際経済学会や国際開発学会のほか、日本国際政治学会と日本平和学会という二つのIR系の学会にも所属(双方の学会にて役員または司会討論者を務めた経験があります)。所属する4学会のすべてで、報告者または司会者または討論者として登壇したことがあります。