研究者業績

高橋 輝昌

タカハシ テルマサ  (Terumasa Takahashi)

基本情報

所属
千葉大学 大学院園芸学研究院園芸環境科学講座 准教授
学位
博士(農学)(東京農工大学)

J-GLOBAL ID
200901028850047669
researchmap会員ID
1000221991

1968年 新潟市出身。1996年 東京農工大学大学院連合農学研究科 資源・環境学専攻(博士課程) 修了。博士(農学)。1996年 千葉大学園芸学部 採用され、現在に至る。主な専門は生態系生態学、緑化工学、造園学。これまで山岳地の森林から里山、都市域の公園、海辺の干潟まで、様々な緑地を対象に、植栽基盤の性質、改良、および緑地の物質循環特性の解明に取り組んできた。フィールドワーク大好き。常に「いま行っている教育・研究がどのように現場に応用され、役に立つのか」を考えるように心がけている。


経歴

 4

論文

 95

MISC

 29

書籍等出版物

 12
  • 亀山, 章, 池邊, このみ, 小野, 良平, 加藤, 和弘, 倉本, 宣, 小林, 達明, 斉藤, 庸平, 佐々木, 邦博, 下村, 彰男, 塚本, 瑞天, 梛野, 良明, 濱野, 周泰, 藤井, 英二郎, 村上, 曉信, 本中, 眞, 横張, 真 (担当:分担執筆, 範囲:706 有機物のリサイクルと土壌再生, 707 水域生態系の循環と水質の浄化(小林達明 と共著), 805 芝草, 821 施肥, 822 芝生, 1206 土壌の調査,)
    朝倉書店 2022年7月 (ISBN: 9784254410419)
  • 小野, 良平, 一ノ瀬, 友博, 亀山, 章 (担当:分担執筆, 範囲:7. 緑化・植栽設計)
    朝倉書店 2021年9月 (ISBN: 9784254440317)
  • 東京農工大学農学部森林・林業実務必携編集委員会 (担当:分担執筆, 範囲:20章 造園)
    朝倉書店 2021年4月 (ISBN: 9784254470574)
  • 日本森林学会 (担当:分担執筆, 範囲:落葉落枝や植物廃材の利用)
    丸善出版 2021年1月 (ISBN: 9784621305843)
  • 藤井英二郎, 松崎 喬, 編集代表 (担当:分担執筆, 範囲:植栽基盤)
    朝倉書店 2018年12月

講演・口頭発表等

 116
  • 金子 信博, 黄 よう, 藤原 佳祐, 佐々木 道子, 戸田 浩人, 高橋 輝昌, 野中 昌法
    日本森林学会大会発表データベース 2014年
    現在よく行われている里山利用には、シイタケ原木や薪炭材利用のための萌芽更新、キノコや山菜の栽培や採取、野生動物の狩猟などがある。これらはいずれも福島第一原発事故によって環境中に放出された放射性セシウムの影響を受ける。汚染レベルの低い森林であっても、生物による移行が生じ、広い範囲でキノコや山菜は食品の基準を超えるため、継続できなくなっている。森林の除染を完全に行うことは困難であるが、利用を継続しつつ、明確な除染方針を立てる必要がある。汚染の影響の少ない施業法を明らかにするために、二本松市の広葉樹林で森林伐採、落葉除去、ウッドチップ散布の組み合わせを現地試験し、半年にわたって放射性セシウムの動態を調べた。調査地はクヌギーコナラ林で、2013年3月23日に調査地の半分を伐採し、森林区と伐採区に落葉除去、ウッドチップ散布の2要因を組み合わせる処理区をそれぞれ4区設置した。ウッドチップは伐採したクヌギ、コナラを現地でチッパーを用いて破砕し、ナイロンネットに約10kgを詰め、林床1平方メートルに2つずつ敷き詰めた。 チップと萌芽枝への移行データの基づき、里山の除染を行うための最適な方法を提案する。
  • 高橋 輝昌, 小林 達明, 金子 信博, 山本 理恵, 小嶋 大地
    日本森林学会大会発表データベース 2014年
    糸状菌が土壌中のセシウムを吸収することが知られている。生物を用いた除染について検討するため、放射能で汚染された森林において、林床に木材チップを敷きならし、木材チップを分解する微生物(糸状菌)が土壌中の放射能をどの程度吸収するかを調査した。福島県川俣町の広葉樹林ではスギの木材チップを敷きならした。同県東和町の広葉樹林では、伐採や落葉除去を組み合わせていくつかの異なる環境を作り出し、広葉樹の木材チップを敷きならした。いずれの場所でも木材チップの重量、炭素濃度、窒素濃度、放射能濃度の変化を経時的に測定した。敷きならし後およそ半年間で、木材チップの重量は樹種や環境により10~50%減少した。また、窒素濃度が増加する木材の分解過程に見られる一般的な変化が見られた。木材チップに含まれるセシウム濃度は敷きならし半年後におおむね増加した。スギの木材チップでは、チップ材の粒径が小さいほどチップ材の単位重量あたりのセシウム吸収量が多くなる傾向にあった。チップ材の置かれた環境間で木材チップへのセシウムの吸収量を比較すると、林内より伐採地で、また、落葉を除去するより落葉の上にチップ材を置くことで、多くなった。
  • 小林 達明, 高橋 輝昌, 鈴木 弘行, 近藤 昭彦, 関崎 益夫, 星澤 保弘, 小竹守 敏彦, 江幡 知紗, 篠崎 敬太, 小嶋 大地, 太田 祥子, 飯塚 和裕, 木村 絵里, 山本 理恵, 宮本 ウルルマ
    日本森林学会大会発表データベース 2014年
    里山の環境回復を目指して、川俣町山木屋地区にて農家と共同で、2011年より景観レベルの放射性環境動態を調べてきた。その結果、放射線量は全体に減少していたが、大部分は物理的減衰に従っており、放射性物質の異所的移動は顕著でなかった。土層深層への放射性Csの浸透は、事故当初の地表のリター被覆状況によって主に異なっていたが、A0層が発達した落葉広葉樹林では2013年でも6割以上A0層に残存していたのに対し、伐開地や林内放牧地等の攪乱地では4~8割A層に浸透していた。2013年には、A0層除去処理や木質チップ敷き均し処理等の環境回復試験を丘陵地斜面に広がる落葉広葉樹林(全1500m2)で行い、放射性Csの循環量・流出量の測定を始めた。L層除去処理では1アールあたり400kgの除去に1人日、A0層全層含む厳密除去処理では同じく1200kgの除去に3.5人日の作業を要した。L層除去によって林床の放射能は2~5割、空間線量率は1~2割減少するとともに、樹体内や林内雨の放射性Cs濃度の低下も見られた。A0層厳密除去処理によって、林床の放射能は9割近く、空間線量率は5割減少したが、土砂流出が大幅に増大した。
  • 高橋輝昌, 岡崎 潤
    日本造園学会関東支部大会 関東支部設立30周年記念大会 2013年10月
  • 小椋 佳, 篠永誉央, 高橋輝昌, 長谷川啓示
    2013年度 日本芝草学会春季大会 2013年5月
  • 山本理恵, 高橋輝昌, Ewing Kern
    日本土壌肥料学会 2012年度 鳥取大会 2012年9月
  • 諫本侑典, 高橋輝昌, 木村正一, 趙 徹, 工藤 眞
    2011年度 日本芝草学会春季大会 2011年5月
  • 栗林祐大, 高橋輝昌, 池田昌義, 沓沢 武
    平成22年度 日本造園学会関東支部大会 2010年11月
  • 町田 茜, 横山卓史, 高橋輝昌, 平野義勝
    平成22年度 日本造園学会関東支部大会 2010年11月
  • 高橋輝昌, 田香紘志, 阿部泰範
    平成22年度 日本造園学会関東支部大会 2010年11月
  • 栗林祐大, 高橋輝昌, 池田昌義, 沓澤 武
    第41回日本緑化工学会全国大会研究交流発表会 2010年9月
  • Takahashi, T, Kobayashi, T, Kato, A, Usui, K
    The 2nd International Conference of Urban Biodiversity and Design 2010年5月
  • Kobayashi, T, Takahashi, T, Hagiwara, S
    2nd International Conference of Urban Biodiversity and Design 2010年5月
  • Takahashi, T, Tsukuda, C, Kato, Y, Kobayashi, T
    19th Conference of the Society for Ecological Restoration International 2009年8月
  • Kobayashi, T, Takahashi, T, Umeki, K, Cheng, X
    19th Conference of the Society for Ecological Restoration International 2009年8月
  • 市川 貴大, 高橋 輝昌
    日本森林学会大会発表データベース 2008年3月
  • 高橋輝昌, 西尾紀彦, 渡部 綾, 三溝あゆみ, 小林達明
    第119回 日本森林学会大会 2008年3月
  • 飯泉浩二, 高橋輝昌
    平成19年度 日本造園学会関東支部大会 2007年10月
  • 高橋輝昌, 加藤秀明, 小林達明
    平成19年度 日本造園学会関東支部大会 2007年10月
  • 高橋輝昌, 平野正男, 平野義勝, 澁谷憲司, 小林達明
    第38回日本緑化工学会大会研究交流発表会 2007年9月
  • 高橋輝昌, 米田伸吾, 石井匡志, 荻野淳司
    平成18年度 日本造園学会関東支部大会 2006年9月
  • 渋谷憲司, 平野義勝, 高橋輝昌
    平成18年度 日本造園学会関東支部大会 2006年9月
  • 天野好浩, 高橋輝昌
    平成18年度 日本造園学会関東支部大会 2006年9月
  • Takahashi, T, Kanzawa, Y. Nishio, N, Kobayashi, T
    The International Conference on Ecological Restoration in East Asia 2006, Osaka 2006年6月
  • Nishio, N, Watanabe, A, Takahashi, T, Kobayashi, T
    The International Conference on Ecological Restoration in East Asia 2006, Osaka 2006年6月
  • Kobayashi, T, Murase, H, Kamiyama, Y, Takahashi, T
    The International Conference on Ecological Restoration in East Asia 2006, Osaka 2006年6月
  • 村瀬仁美, 上山洋平, 小林達明, 高橋輝昌
    第116回 日本森林学会大会 2005年3月
  • 西尾紀彦, 神澤嘉顕, 高橋輝昌, 小林達明, 淺野義人
    第116回 日本森林学会大会 2005年3月
  • 上山洋平, 村瀬仁美, 小林達明, 高橋輝昌
    第116回 日本森林学会大会 2005年3月
  • 市川 貴大, 高橋 輝昌, 浅野 義人
    日本森林学会大会発表データベース 2005年
  • 西尾太寿, 高橋輝昌, 荻野淳司, 石井匡志, 小林達明, 浅野義人
    第35回日本緑化工学会大会研究交流発表会 2004年9月
  • 高橋輝昌, 嶋村直剛, 浅野義人, 小林達明
    第35回日本緑化工学会大会研究交流発表会 2004年9月
  • 川上弘介, 高橋輝昌, 小林達明, 浅野義人
    第35回日本緑化工学会大会研究交流発表会 2004年9月
  • 小林 達明, 松浦 光明, 東 季実子, 高橋 輝昌
    日本生態学会大会講演要旨集 2004年
    萌芽更新伐採施業・下刈り管理が試験的に行われている狭山丘陵の二次林において、広範囲に植生・土壌調査を行い、下層植物のハビタット評価を行った。TWINSPANによって分類したところ、7つの下層植生型に分類できた。まず管理条件によって放置区・下刈り区と上層木伐採区に分類された。それぞれのカテゴリーはさらに谷頭凹地かその他の微地形かによって分類された。谷頭凹地ではアズマネザサの被度が高く、その伐採区では、ベニバナボロギク、ダンドボロギクといった外来種が目立った。アズマネザサの現存量と土壌・地形要因の関係について調べたところ、土壌pHが高く、斜面下部の平坦な地形でよく繁茂していた。また上層がアカマツの場合、ササ群落の発達は抑制される傾向にあった。<br> 狭山丘陵は従来、里山管理のもとで、A層の発達が抑制された褐色森林土によって主に覆われていたと考えられる。その条件下でヤマツツジ・チゴユリ・コアジアイ・トウギボウシ・キッコウハグマ・ヤマユリ・ササバギンランなどに特徴づけられる林床植生が発達していた。里山管理停止後、上層の樹木が成長し、下層への到達光量が低下している。また谷頭凹地を中心に、土壌pHの上昇が進んでおり、それらの区域を中心にアズマネザサ群落の発達が進行している。近年、アカマツの立ち枯れが急速に進行し、その傾向に拍車をかけているようである。<br> 下刈りや更新伐採は下層植物種数の増加をもたらした。しかし黒ボク土が発達した立地では、ササや外来植物の繁茂が促された。里山の植生を維持するには、光条件の管理とともに、林床・土壌条件の管理が重要と考えられる。また狭山丘陵では、アカマツとアズマネザサが生態系のキースピシーズとなっており、前者は褐色森林土とその植生の維持を、後者は黒ボク土とその植生への変化を促していると考えられる。
  • 上山 洋平, 村瀬 仁美, 小林 達明, 高橋 輝昌
    日本林学会大会発表データベース 2004年
    土壌窒素の無機化特性がササ群落の発達と関連しているのではないかと考え,都立野山北・六道山公園で微地形,植生,土壌の調査をおこなった.微地形を頂部斜面,上部谷壁斜面,下部谷壁斜面,谷頭凹地・谷底面の4つに,植生を下層植生の優占種からササ型,常緑低木型,落葉低木型の3つに区分して,それぞれの土壌特性を検討した.頂部斜面は窒素無機化速度が低く,C-N比が高い土壌が多く,A層は薄かった.谷頭凹地・谷底面はその逆だった.谷頭凹地・谷底面ではアズマネザサが優占する場所が多かったが,このような養分特性も一因と考えられる.一方,落葉低木型はpHが低く,A層が薄く,窒素無機化速度が低く,含水率が低い土壌に多かった.微地形による影響を除くため,同じ谷壁斜面の調査区で植生型ごとに窒素無機化速度の頻度分布を比べてみるとササ型は無機化速度の高い範囲で多かった.逆に落葉低木型は無機化速度の低い範囲で多かった.このことから水分条件は同じでも,土壌の無機化特性のちがいはアズマネザサの発達状況に影響を及ぼすと考えられる.
  • 村瀬 仁美, 上山 洋平, 小林 達明, 高橋 輝昌, 徳地 直子
    日本林学会大会発表データベース 2004年
    関東地方の暖温帯に分布するコナラ二次林群落としてクヌギーコナラ群集、クリーコナラ群集等が知られている。互いに丘陵地を中心にその分布域を接している。土壌条件で前者は、孔隙率が高く、A層が深く腐植に富み、pHが相対的に高い理化学性の良好な土壌に主として立地し、後者は、孔隙率が低く、A層が浅く腐植が相対的に乏しく、pHが低い強酸性の理化学性の悪い土壌に立地している(辻、1991)。一般的に、前者のような土壌の窒素の無機化速度は、後者のような土壌に比べると速く、硝化率も大きいと考えられる。また、硝酸態窒素を利用する植物は硝酸還元酵素活性(Nitrate Reductase Activity:NRA)も高くなると考えられる。Tokuchiら(1999)は、花崗岩質山地の斜面下部で無機化速度が速く、硝化率も高く、斜面上部では逆の傾向があることを示し、それらの立地に対応した植物-土壌系が成立することを示唆している。Koyama&Tokuchi(2003)は、それらの立地を代表する樹種3種の実生の硝酸還元酵素活性を調べ、立地の硝化能力と対応することを示した。<BR> 本研究では、平面的に群落分化が見られる狭山丘陵で植物-土壌系の関係を調べようとした。<BR> 調査地は、東京都武蔵村山市および瑞穂町と埼玉県所沢市に広がる東西11km、南北4kmの狭山丘陵の西端にあたる野山北・六道山公園内のコナラ、クヌギなどの様々な夏緑樹林が混生する林分に設けた。対象樹種は、アオハダ、アカマツ、ヒノキ、アカシデ、イヌシデ、クリ、クヌギ、アラカシ、コナラ、ムクノキ、エノキ、コウゾ、コブシ、クロモジ、ミツバアケビ、ヒサカキ、コアジサイ、ウワミズザクラ、モミジイチゴ、ネムノキ、フジ、ウリカエデ、アカメガシワ、ヌルデ、イヌツゲ、マユミ、ゴンズイ、アオキ、ミズキ、リョウブ、ネジキ、ヤマツツジ、エゴノキ、マルバアオダモ、ムラサキシキブ、クサギ、ウグイスカグラ、ガマズミ、コバノガマズミ、オトコヨウゾメ、サロトリイバラ、アズマネザサの計42種で、2003年8月下旬から10月上旬の晴れた日の10時30分から12時30分の間に各樹種、3個体ずつ葉をランダムに採取し、Havill et al.(1974)に従い、NRAを測定した。<BR> 各樹種のNRAは数値が高い順に、ムクノキ・ミツバアケビ・コウゾ・コブシ・ムラサキシキブ・エノキ・アズマネザサ・マルバアオダモ・モミジイチゴ・ヌルデ・ウグイスカグ・イヌシデ・リョウブ・クサギ・エゴノキの「高」グループ15種、ミズキ・コナラ・イヌツゲ・アラカシ・アカメガシワ・マユミ・ガマズミ・アカシデ・ゴンズイの「中」グループ9種、ウリカエデ・アオハダ・コバノガマズミ・フジ・ネムノキ・コアジサイ・クヌギ・ヤマツツジの「低」グループ8種、サルトリイバラ・ヒサカキ・クロモジ・ウワミズザクラ・ネジキ・クリの「なし」グループ6種と区分された。これらをクヌギーコナラ群集とクリーコナラ群集の2つの植生タイプに大別すると、クヌギーコナラ群集は、「高」グループが、ムクノキ・コブシ・ムラサキシキブ・エノキ・アズマネザサ・ヌルデ・イヌシデ・エゴノキの8種、「中」グループが、コナラ・アラカシ・マユミ・ガマズミ・アカシデ・ゴンズイの6種、「低」グループが、フジ・クヌギ・ヤマツツジの3種、「なし」グループが、サルトリイバラ・ヒサカキの2種の計19種となり、クリーコナラ群集は、「高」グループが、ミツバアケビ・マルバアオダモ・ウグイスカグラ・リョウブ・エゴノキの5種、「中」グループが、コナラ・イヌツゲ・アラカシ・ガマズミ・アカシデの5種、「低」グループが、ウリカエデ・アオハダ・コバノガマズミ・ネムノキ・コアジサイ・ヤマツツジの6種、「なし」グループが、ヒサカキ・クロモジ・ウワミズザクラ・ネジキ・クリの5種の計21種となった。<BR> NRAが「高」や「中」を示した樹種は理化学性の良好な土壌に主に生育しているものがほとんどであった。また、例外はあるものの、同科の種のNRAは同グループに属している傾向を示した。<BR> 以上から、クヌギーコナラ群集ではNRAが「高」、「中」の樹種が多く、クリーコナラ群集はクヌギーコナラ群集に比べ、「低」、「なし」の樹種が多くなったことから、狭山丘陵を構成している樹種のNRAは2つの植生タイプに対応する傾向があることが示唆された。
  • 神澤 嘉顕, 高橋 輝昌, 浅野 義人, 小林 達明
    日本林学会大会発表データベース 2004年
    1.目的 都市化が森林土壌に与える影響として、pHの上昇、土壌有機物量の減少、菌類相の単純化、菌根菌の活性の低下が報告されている。しかし、都市化が緑地土壌を変化させる仕組みとして、粉塵や建築廃材の影響が考えられているが、未だに不明な点が多い。一般に河川の上流域から下流域にかけて都市化が進行する傾向にある。下流域では、上流域に比べて、都市化の影響を強く受けると考えられる。そこで、本研究では、多摩川流域にある緑地土壌の性質を上流から下流にかけて調査し、都市化による土壌環境の変化を化学的、生物的な面から明らかにすることを目的とする。<BR>2.調査地<BR>多摩川流域のコナラ、クヌギを主とする森林型緑地を多摩川の河口から奥多摩湖周辺にかけて、10km程度おきに1,2箇所ずつ合計15箇所選定した。図-1のように、多摩川の上流域から下流域にかけて、周辺市町村の人口密度は、上昇し、人口密度の上昇は、都市化が進行していることを示している。<BR>3.方法<BR>それぞれの森林内で土壌深0_から_5cmの表層土壌をA0層の状態が平均的な6箇所_から_10箇所から、およそ100gずつ採取した。採取した土壌を乾燥させ、1mmのふるいにかけ、実験に供した。<BR>土壌のpH(H2O)をガラス電極法(風乾土:H2O=1:2.5)で、全炭素量、全窒素量をCNコーダー法で、有効態リン酸濃度をブレイ第二法で、セミミクロショーレンベルガー法の抽出液を使い、インドフェノール青法でCEC(陽イオン交換容量)を、交換性カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)量を、原子吸光法で測定した。ただし、CEC、交換性塩基量の測定には、各調査地の土壌を混合し、実験に供した。<BR>4.結果および考察<BR>交換性塩基量は、いずれの元素についても、総量(Ca+Mg+K+Na)についても、都市化の進行に伴って、増加した。交換性塩基の元素の組成をみると、Caの割合が都市化の進行に伴って高まった。<BR>全炭素量は、都市化の進行に伴って増加する傾向を示した。全窒素量、有効態リン酸量は、全炭素量と同様に、都市化が進むにつれて増加する傾向を示した。各調査地での、樹木の落葉による有機物の供給量を推定した結果、都市化の進行に伴い、大きくなると予想された。また、調査地のうち6箇所で土壌の微生物活性を測定した結果、都市化が進むにつれて、低くなる傾向を示した。以上より、都市化が進んだ下流域では、有機物の供給量が多くなる一方で、微生物活性の低下により、有機物が無機化されにくくなるため、土壌中の全炭素量が多くなると考えられる。有効態リン酸量は、pH(H2O)の上昇に伴い、有効態リン酸量が増加したと考えられる。交換性塩基量や全窒素量、有効態リン酸量の増加は、樹木の生育を促進し、落葉量を増加させる一因になると考えられる。<BR>CECは、都市化が進むにつれて増加した。pH(H2O)とCECは、正の相関にあり、pH(H2O)が高くなると、CECもまた、高くなる。CECは、全炭素量とも正の相関が高くなっており、全炭素量が増加すると、CECも増加する。<BR>以上のことから、CECが河口に近づくにつれて増加する要因として、_丸1_都市化が進んだ場所では、全炭素量の増加によるCECの増加、_丸2_比較的都市化されていない場所の低pH(H2O)下での陽イオン交換基の不能化によるCECの減少の2つの要因が考えられる。<BR>塩基飽和度は、交換性塩基量の増加に伴い、都市化が進むにつれて増加した。pH(H2O)(図-2)は、塩基飽和度が高まったことにより、上昇したと考えられる。<BR>5.まとめ<BR>都市化の進行は、交換性塩基量の増加、塩基飽和度の上昇によって、pH(H2O)を上昇させていた。pH(H2O)が上昇することにより、有効態リン酸量が増加した。また、有機物供給量を増加させ、微生物活性を低下させていた。これらのことから、土壌中の有機物量は、都市化の進行に伴い増加したと考えられる。
  • 西尾太寿, 高橋輝昌, 浅野義人, 小林達明, 荻野淳司
    第34回日本緑化工学会大会研究交流発表会 2003年9月
  • 美濃又哲男, 高橋輝昌, 中山恵理, 会田陽一
    第34回日本緑化工学会大会研究交流発表会 2003年9月
  • 松本 崇, 高橋輝昌, 浅野義人, 小林達明, 小林広行, 荻野淳司
    第34回日本緑化工学会大会研究交流発表会 2003年9月
  • 曽我 一成, 浅野 義人, 高橋 輝昌
    芝草研究 2003年
  • 市川 貴大, 高橋 輝昌, 浅野 義人
    日本林学会大会発表データベース 2003年
    スギとヒノキが同一斜面に隣接するさまざまな林齢の森林において,年間リターフォールおよびAo層の乾重,鉱質土壌の化学的性質を調査し,林齢による有機物動態と土壌の養分特性の変化について明らかにすることを目的とした。各林齢のスギ林の交換性Ca,Mg,K量はヒノキ林の1.0__から__5.9倍であった。各林齢のスギ林のAo層量はヒノキ林とほぼ同じであった。21,34年生のヒノキ林では土壌中に混入したヒノキ葉が多く,またスギ林に比べて表層土壌の微生物活性が高かった。このことから,21,34年生のヒノキ林では土壌中へのヒノキ葉の混入が土壌中の微生物活性を高めていた。
  • 齋藤紘文, 浅野義人, 高橋輝昌
    2002年度日本芝草学会春季大会 2002年5月
  • 曽我 一成, 浅野 義人, 高橋 輝昌
    芝草研究 2002年5月
  • 岡部紀宏, 市川貴大, 高橋輝昌, 浅野義人
    第113回日本林学会大会 2002年3月
  • 市川貴大, 岡部紀宏, 高橋輝昌, 浅野義人
    第113回日本林学会大会 2002年3月
  • 深堀真大, 浅野義人, 高橋輝昌
    2001年度 日本芝草学会春季大会 2001年5月
  • 市川貴大, 高橋輝昌, 浅野義人, 小林達明
    第111回日本林学会大会 2001年3月
  • Takahashi, T, Ichikawa, T, Fukazawa, F, Yamaguchi, T, Asano, Y, Kobayashi, T
    International Symposium "Managing Forest Soils for Sustainable Productivity" 2000年8月
  • 伊藤健一, 浅野義人, 高橋輝昌, 市川貴大
    2000年度 日本芝宇佐学会春季大会 2000年5月

担当経験のある科目(授業)

 17

共同研究・競争的資金等の研究課題

 15

産業財産権

 1