研究者業績

田内 隆利

タウチ タカトシ  (takatoshi tauchi)

基本情報

所属
千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 大学院 工学研究科 デザイン科学専攻 准教授

研究者番号
70236173
J-GLOBAL ID
202101020859862840
researchmap会員ID
R000023429

論文

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  • 楊 鵬, 久保 光徳, 寺内 文雄, 田内 隆利
    デザイン学研究 2021 年 5(1) 77-86 2021年5月  査読有り
  • 丸山 萌, 田内 隆利, 久保 光徳
    デザイン学研究 66(3) 3_41-3_50 2020年  
    <p>本研究の目的は,人形用キモノの形態学的特徴から衣服のデザイン要素としての「キモノらしさ」を明らかにすることである。人形用のキモノは,和裁の理論にとらわれない方法で,人のキモノをより特徴が際立つように簡略化し,再構成したものであると考えられる。人形用キモノの特徴を調査するため,1/6 スケールの着せ替え人形「ジェニー」用に作られた 17 点のキモノ作品例を収集し,分類した。実際にそれらの人形用キモノを再現し,制作過程の検証と形の観察を行った。各作品の特徴を人のキモノと比較し,材料と各パーツの構成の関係,制作の難易度,各部の幅の比率,人形の身体の形との関係に着目した。考察の結果,キモノらしさのデザイン要素は,人形用キモノ全体に共通する特徴としての一定の形の要素に加え,布幅に由来する各部の幅の比率,材料を無駄なく生かす使い方にあると結論づけた。また人形のキモノがこれらの要素を踏まえつつ,自由な解釈により制作された様子を示した。</p>
  • DJATI Imam Damar, TAUCHI Takatoshi, KUBO Mitsunori, TERAUCHI Fumio
    デザイン学研究 61(5) 5_77-5_86 2015年  
    The demand of wood is increasing, but the supply is limited, on the contrary, there are amount of potential young teaks (Tectona grandis L.f.) from thinning of teak plantations that could contribute to meet this demand. During the time from planting until harvesting (rotation age), a number of young teak trees, which comprise mostly sapwood, are felled regularly due to the thinning to stimulate the better growth of the remaining teak trees in the plantations. There are at least 1.2 million hectares of teak plantations in Java, Indonesia, and 3.146 million hectares in other countries. In one of the teak plantations, for 1 hectare with the average site quality and the rotation age of 40 years, from 1,769 5-year-old teak trees will be felled regularly during the rotation age until 277 39-year-old teak trees remain at harvesting. From this study, consider the significant amount of young teaks from the thinning is available, it is necessary to utilize these potential material become suitable products by taking the advantage of its properties and prominent characteristics, e.g. border patterns and lighter color of the sapwood, to enhance its utilization and value.
  • DJATI Imam Damar, TAUCHI Takatoshi, KUBO Mitsunori, TERAUCHI Fumio
    デザイン学研究 62(3) 3_25-3_34 2015年  
    Potential young teaks (Tectona grandis L.f.) from the thinning of teak plantations can be utilized for making products by taking the advantage of its mechanical properties and characteristics. This research assess the mechanical properties and the characteristics of sapwood and its heartwood of young teaks from each of age classes in the rotation age of 40 years of teaks plantation in West Java area, Indonesia. Mechanical properties of young teak are the determination of its MOR and MOE, and it has been determined that the difference strength between sapwood and its heartwood among the age classes is not significant. Characteristics of young teak are intended to the variation of its grain pattern and the color intensity. The lighter color of sapwood of young teak has the specific effect that the color of colorant will appear more attractive than on its heartwood, and the combination of the contrast border pattern between sapwood and its heartwood part will create the unique appearances.
  • Zafarmand Seyed Javad, Tauchi Takatoshi, Terauchi Fumio, Kubo Mitsunori, Aoki Hiroyuki
    デザイン学研究 58(1) 7-16 2011年  
    Aiming to approach Product Subjective Sustainability experientially and initiating to expand this concept analytically, this paper presents the process and results of an analytical study on the evolution of users' Kansei toward their mobile phone during its entire lifecycle in two different contexts, Japan and Iran. As the major outcomes of this study, the patterns of evolution of two groups of Japanese and Iranian subjects' Kansei over the lifetime of their mobile phones are extracted and accordingly the trends of subjective sustainability of mobile phones are drawn and compared between these two contexts. As the findings of this study show, attachment is the most important trend in such a subjective sustainability and may appear at the different levels. However, it is not the only trend in this regard. Furthermore, a lack of such a subjective sustainability, which has several causal trends, is seemingly an ongoing problem in Iran.

MISC

 26
  • 楊 鵬, 古川 侑佳, 久保 光徳, 田内 隆利
    日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会 68 巻(3A-01) 2022年2月  
  • YANG Peng, 久保光徳, 植田憲, 田内隆利
    日本デザイン学会研究発表大会概要集(CD-ROM) 65th 2018年  
  • 丸山 萌, 田内 隆利, 久保 光徳
    デザイン学研究 63(5) 5_75-5_80 2017年  
    本研究は,日本の伝統的衣服であるキモノの形の意味を,ものから得られる情報を通して明らかにしようという試みである。キモノはほどけば布に戻るものとされ,「繰り回し」と呼ばれる作り替えが行われていたことが知られており,制作時から予め再利用を見込んだ形に作られていたと考えられる。キモノがどのように作られ,また作り替えられてきたのか,日常着として着用されていた2点のキモノの観察・解体によって調査し,制作および作り替えの過程と形との関係を考察した。<br> 資料の解体から,キモノの形に共通する構成の特徴は,狭い幅の布を用い,できるだけ裁断を少なくし,手縫いで作ることであるとわかった。作り替えられたキモノからは,共通の布幅を生かした各部の入れ替えの様子や,布の重なる部分や目立たない部分に痛んだ布や小さな端切れが巧みに生かされている様子が確認できた。調査より,キモノの形は,決まった量の材料を余らせずにできるだけ大きく使うことで作り替えの可能性を広げた,材料を最大限に生かすための形であると結論付けた。また,衣服としての形が一定であることにより,制作技術の習得と応用を容易にし,作りやすさを追求した形であると考えた。
  • 奥村 恵美佳, 久保 光徳, 田内 隆利, 山中 敏正
    デザイン学研究 63(5) 5_7-5_14 2017年  
    本研究の目的は13世紀における板蟇股の力学的合理性の解明を通して当時の設計者の力学的感性について考察することである。本研究では日本伝統建築において束の役割を担うために配置され構造材の役割を担う板蟇股の形態に着目した。蟇股の形態は時代や地域,作り手によって異なる設計がなされるため,建築物の建立時代を明らかにする指標の一つである。そして,中世は蟇股が構造材から装飾材の役割へと変容を遂げた変換期である。そこで本研究では,中世初期に当たる13世紀の板蟇股に掘りこまれた眼玉と呼ばれる二つの小さな凹みの意匠に着目した。13世紀に制作された板蟇股の3Dモデルを用いて木材の材料特性である直交異方性を考慮した非線形構造解析を行った。解析結果から,板蟇股に施された二つの小さな穴が応力集中緩和の傾向をもつことが示され,一見装飾的な印象を受けるこの眼玉が構造的な機能性につながる力学的合理性の上に成り立っている意匠であることの可能性が示された。
  • 久保 光徳, 北村 有希子, 田内 隆利
    民具研究 = The study for mingu (153) 1-22 2016年4月  
  • 王 健, 久保 光徳, 植田 憲, 田内 隆利
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 63 85-85 2016年  
    &nbsp; 本研究は武志伊八と後藤義光の彫刻作品の形態を造形工学の視点から説明し、伊八を代表する「波の造形」と義光を代表する「龍の造形」の形態特徴を解析し、彫刻師の基本的な造形傾向を解読した。まずは彫刻の表面における曲率変化の分布状況により、特徴曲線を作成し、特徴形態を抽出した。そして彫刻の形態から伊八の波の形態に潜む「仮想的な円」と義光の龍の形態に潜む「仮想的な球体」を測出し、波に対する「2.5次元の平面積層の造形手法」と龍に対する「3次元の量塊の中心を巡る造形手法」を提出した。次は木彫の曲面を構成するポリゴン群の法線ベクトルを座標値によって単位球体に写像し、k-means法によって法線ベクトルを分解し、伊八と義光の形態について、法線ベクトルの方向の集中状況と分布状況の特徴と差異を解析し、平面積層と量塊中心の造形手法を検証した。最後には彫刻美術の視点から伊八と義光の造形傾向を影響した可能性がある奈良時代から藤原時代への日本彫刻の変容について検討した。
  • 久保 光徳, 田内 隆利
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 63 88-88 2016年  
    代表的な郷土玩具の起き上がり小法師,やじろべい,そして大分県日田地方の北山田のきじ車の三形態に着目し,それらの動きから読み取ることができる力学的特性に従って,3つの単純化された力学モデルを制作した。この力学モデルを用いた教育実験から,モノの動的挙動を学ぶ上でポイントとなる重心および,そこにかかる重力,慣性力とモノを外部から支える支点との関係を明らかにした。
  • 奥村 恵美佳, 久保 光徳, 田内 隆利, 山中 敏正
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 63 185-185 2016年  
    本研究の目的は13世紀における板蟇股の力学的合理性の解明を通して当時の設計者の力学的感性について考察することである。本研究では日本伝統建築において束の役割を担うために配置される構造材の役割を担う板蟇股の形態に着目した。蟇股の形態は時代や地域,作り手によって異なる設計がなされ,建築物の建立時代を明らかにする指標の一つである。また,中世は蟇股が構造材から装飾材の役割へと変容を遂げた変換期である。そこで本研究では,13世紀の板蟇股に施された凹みに着目し,取得可能な図面の限界のため2Dモデルを用いた解析構造を行うことで形態の分析を試みた。解析結果から,板蟇股に施された二つの小さな穴が応力分散を可能にすることが示された。したがって,この一見装飾的な印象を受ける凹みは単に見かけの装飾のために彫り込まれたものではなく,力学的合理性の上に成り立つ意匠である可能性が示された。さらに,優れた工匠集団と高く評価される13世紀における作り手の優れた力学的感性を構造解析によって論理的に裏付けることができた。
  • 久保光徳, 石井久夫, 田内隆利
    形の科学会誌 30(2) 2015年  
  • 矢久保 空遥, 田内 隆利, 久保 光徳, 寺内 文雄
    デザイン学研究 62(2) 2_81-2_88 2015年  
    本論文では,ロシア連邦サハ共和国で演奏されている伝統的な口琴であるKhomusとイタリア共和国シチリア島で演奏されているMarranzanuと呼ばれる口琴の2つをサンプルとして,これらの形態的な特徴,音響的な特徴,社会的な特徴の3つの側面から比較を行った. 形態的な特徴において両者を比較すると,Khomusの弁には均一な角度でエッジ加工が施されており,Marranzanuの弁にはエッジができるような加工は施されていないことが確認された. 音響的な特徴の比較では,自己相関関数の違いからそれぞれの周波数構造に着目し,一方が奇数倍音を多く含む矩形波に近い構造,他方が整数倍音を多く含むノコギリ波に近い構造をしていることを明らかにした. これは,音による印象そのものに影響を与えうるファクターであり,音に対する印象評価を行った先の研究と照らし合わせて考えると,特に「活発性因子」において大きな差があることわかった. 社会的な扱われ方の違いについては,それぞれの国での演奏されるシーンや,催事などの有無といった点から民族的な意味合いを強く持ったKhomusと民俗的な意味合いを強く持ったMarranzanuであると解釈することができた.
  • 矢久保 空遥, 田内 隆利, 久保 光徳, 寺内 文雄
    デザイン学研究 62(2) 2_1-2_6 2015年  
    本論文では,口琴とよばれる楽器をサンプルとして用い,その音による印象と口琴のもつ形態的な特徴の関係を考察した.実験では,まず25 種の口琴が持つ形態的な特徴を抽出し,その特徴の有無を元として,これを数量化Ⅲ類によって構造化した. その後,各口琴の音に対する印象傾向を因子分析によって分析した. その結果,口琴の音による印象は「活発性因子」「評価性因子」「存在感因子」の3因子で説明できることが明らかとなった. その後,各口琴の数量化Ⅲ類によるサンプルスコアの値と因子分析によって得られた因子得点の相関係数を求めた.数量化Ⅲ類によって示されたⅠ軸は,「加工技術軸」であると読み取ることができ,数量化Ⅲ類で得られた「加工技術軸」と,因子分析で得られた「評価性因子」との間に正の相関があることを確認した. 結論として口琴の加工技術が高く,口琴を構成する細部の形状が緻密であるほど,その音は味わい深く,情緒性の高いものであると示唆された.
  • 久保光徳, 北村有希子, 田内隆利, 寺内文雄, 境野広志
    形の科学会誌 29(1) 2014年  
  • 久保光徳, 奥村恵美佳, 田内隆利, 植田憲
    形の科学会誌 29(2) 2014年  
  • 久保 光徳, 北村 有希子, 田内 隆利, 寺内 文雄
    デザイン学研究 61(2) 2_35-2_38 2014年  
    人が自然発生的に生み出してきた形の一つであると言える民具形態に注目し,その形に潜在すると思われる力学的合理性を解明することを研究目的として,新潟県中魚沼郡の津南町歴史民俗資料館に所蔵されている踏鋤の一種である国指定民俗資料「エングワ」の形状に見られる力学的特徴の抽出を試みた。生活の中に置いて自然発生的に生み出されてきたと思われる形態の特徴の一つと言える力学的な合理性の有無についての検討をこのエングワ形状に対して実施した。三次元デジタイザによる形状測定,CADによる断面形状の検討,有限要素法に従った構造解析,梁理論に従ったエングワ形状と曲げモーメント分布,および曲がりにくさの指標となる断面二次モーメントとの対比を通して,この形状が実使用時に発生すると思われる力学的および幾何学的境界条件に対して適切な形状を有しており,この形態が力学的合理性を有しているものの一つであることを確認した。
  • 久保 光徳, 田内 隆利, 植田 憲, 北村 有希子, 奥村 恵美佳
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 61 17-17 2014年  
    装飾が有する力学性の有無を検証するために,本研究では,唐草文様が配された黒薩摩(薩摩焼)の特性を構造力学的視点から検証した。本研究においては,この唐草文様の黒薩摩に対する構造補強的な意味の有無の確認をすることを研究目的とした。三次元デジタイザにより,検討対象とした黒薩摩の形状を読み取りCADデータとし,そのデータに修正を加えることで,比較検討用の唐草文様なしの黒薩摩CADデータを作成した。その他に同寸法の軸対象な形状データとそれに一本のリングが装飾の基本形として施された形状データを制作し,同条件,重力環境下での構造解析を行い,それぞれの形態での応力分布状況の比較を実施した。その結果,唐草文様が黒薩摩にかかる応力集中を緩和する傾向にあることを確認することができた。
  • 奥村 恵美佳, 田内 隆利, 久保 光徳
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 61 15-15 2014年  
    一般的にデザイン作品はグラフィック、プロダクト、スペースデザイン、また芸術作品の多くは、絵画、彫刻、インスタレーションといったような枠組みの中に分類される。この分類方法は、形態や色彩など物理的情報によってなされたものである。すなわち、人間の知覚や認知の過程が考慮されていない。視覚は大脳皮質の連合野において処理され、過去の記憶を含めた情報が補われることによって初めて認知できる。視覚によって得ている情報が、そのモノをそのまま「見ている」のではなく、「考えている」ことでその情報を得ているのならば、人の認知はそのモノ自体の物理的世界の話ではない。本研究では、認知過程が作品を捉える点において重要な要素であるならば、作品を作品たらしめる根源は、認知過程にあるのではないかという仮説をもとに、人が作品に対峙した際の鑑賞者と作品の関係性について新たな解釈を試みた。そして、解釈を元に試作を繰り返し、最終制作物として鑑賞者に空間性の印象を与えることの出来る平面作品の制作を行った。空間性を与える平面作品の条件として作品のサイズが視覚が一度に捉えることの出来る範囲を超えていること、図と地の曖昧さ、構成が抽象的であることが条件であると判明した。<br>
  • 丸山 萌, 田内 隆利, 久保 光徳
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 61 226-226 2014年  
    本研究は、日本の伝統的衣服であるキモノにおける手間の意味と価値を、かつて行われていた方法を再現することによって明らかにしようという試みである。日本語の「手間」という語が指すものは労働のみではなく、その対象にかかる時間をも含む概念である。キモノは西洋式の衣服と、その構造、制作方法、着装方法において非常に異なっており、また繰り回しと呼ばれる作り替えの知恵でも知られている。この繰り回しというキモノの仕事の実態を明らかにするため、キモノの解体という手間の再現を行った。その結果、狭い布幅の生地、最低限の裁断、手縫いによる縫製によって作られるキモノは、また解体し作り替えるため、作る過程で損なわれる材料としての可能性を最小限にしていることがわかった。キモノという衣服の形態は、作り替えを前提とする構成に、人が解体し再生する手間をかけることによって成立する布と衣服のサイクルであり、形を変えながら布を最後まで使い切るためのシステムであると考えられる。
  • 久保 光徳, 北村 有希子, 田内 隆利, 寺内 文雄, 境野 広志
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 60 65-65 2013年  
    新潟県山古志村に保存されている牛鞍(ウシノタグラ)の形態を意匠形態学的視点において検討した。まず,ウシノタグラを構成する個々の材料や構造・機構を形態要素として抽出し,その要素間の影響関係をDEMATEL法に従って構造化した。その結果,このウシノタグラの基本的な特性は構造的な柔軟性であることが明らかとなった。また,このウシノタグラの形状は三次元デジタイザにより測定され,その柔軟性に関連するアーチ形状の構造特性,応力分布の様子がシミュレートされた。その結果,このウシノタグラが,人の手によって直感的もしくは経験的に生み出されてきたにもかかわらず最適設計形状の一つであることが示唆された。
  • 久保 光徳, 坪郷 英彦, 北村 有希子, 田内 隆利
    形の科学会誌 = Bulletin of the Society for Science on Form 27(2) 136-137 2012年11月1日  
  • 久保 光徳, 北村 有希子, 田内 隆利, 寺内 文雄
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 184-184 2012年  
    人が自然発生的に生み出してきた形の一つであると言える民具形態に注目し,その形に潜在すると思われる力学性を解明することを研究目的とした。新潟県中魚沼郡の津南町歴史民俗資料館に所蔵されている踏鍬(ふみずき)の一種である国指定民俗資料「エングワ」の形状に見られる力学的特徴の抽出を試みた。生活の中に置いて自然発生的に生み出されてきたと思われる形態の特徴の一つと言える力学的な合理性の有無についての検討をこのエングワ形状に対して実施した。三次元デジタイザによる形状測定,CADによる断面形状の検討,有限要素法に従った応力解析,梁理論に従ったエングワ形状と曲げモーメント分布,および曲がりにくさの指標となる断面二次モーメントとの対比を通して,この形状が実使用時に発生すると思われる力学的および幾何学的境界条件に対して適切な形状を有しており,この形態が力学的合理性を有しているものの一つであることを確認した。
  • 矢久保 空遥, 久保 光徳, 田内 隆利
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 9-9 2012年  
    現在までに音響工学,音響心理学など様々な領域において,音と,それによる感覚,感情の関係が研究されてきた.特に,音によって得られる空間的な感覚についての研究では『広がり感』あるいは『音場の広がり感』という言葉によって,その感覚を説明している.既往研究では『広がり感』は両耳に入る音の位相差によって生じるものであるとしており,これを一般にステレオ効果と呼んでいる.しかしながら,シンギングボウルの音による空間的な印象はステレオ効果のみによるものではない印象を受けた.そこで,音による空間的な印象はステレオ効果のみでなく,他の要因によっても構成されていると仮説を立て,検証と考察を行った.
  • 久保 光徳, 北村 有希子, 田内 隆利
    形の科学会誌 = Bulletin of the Society for Science on Form 26(2) 211-212 2011年12月1日  
  • 久保 光徳, 矢久保 空遥, 田内 隆利, 寺内 文雄, 青木 弘行
    デザイン学研究 58(3) 75-78 2011年  
    人の手によって自然発生的に生み出され,そして日常において使用されて来ている民具の一つの背負子の形状に注目し,そこに隠されていると思われる力学的な意味を明らかにするために,初等的な材料力学および構造力学の手法を用いて力学的な形状評価を試みた。背負子が背負われた時の力学的状況をシミュレートするための典型的な背負子の有限要素モデルを定義した。この有限要素モデルに実際の使用を想定した荷重条件を与え算出した背負子上の応力分布から,応力の主軸,せん断力,曲げモーメントの分布が求められた。そしてその結果に従って,さらに単純化された背負子の材料力学モデルを定義し,より単純化された形においてその形状の力学的意味を検討した。その結果,この材料力学モデルによる背負子形状の検討を通して,この背負子形状が,形状全体において,最適形状の一つである等応力形状に準ずる形であることを明らかにした。
  • 小林 惇, 田内 隆利, 上田 エジウソン, 寺内 文雄, 久保 光徳, 青木 弘行
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 57 B06-B06 2010年  
    本研究では、介護のしやすさが考慮されていない住宅において、少ない人数での介護を可能にすることを目的として、介助者が一人でも操作できる福祉用移動機器の提案を行った。被介助者の移動を補助するために、ベッドや車へ移乗しやすい従来の車いすや担架ではない新たな移動機器の制作を目標とした。そこでこの製品を使用する対象者を絞り込み、次に市販の製品や介護従事者の現状調査を行った。これらの調査をもとに実験模型を3案制作し、対象者とともに検証した。最後に、検証結果の長所を生かした最終提案物を制作し検証を行った。
  • 成瀬 峻, 田内 隆利, 上田 エジウソン, 寺内 文雄, 久保 光徳, 青木 弘之
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 57 P13-P13 2010年  
    楽器を演奏する際,演奏者はその楽器を楽しむ上で音色や音の響きなど以外に演奏時の動きも重要な因子であると考えられる。また近年センシング技術が楽器への応用されていることからその需要はますます高まっていると感じる。そこで本研究では演奏時の動きを抽出すること,抽出された動作から新しい楽器を提案することを目的とした。
  • 久保光徳, 寺内文雄, 田内隆利, 青木弘行
    Designシンポジウム講演論文集 2008 2008年  

共同研究・競争的資金等の研究課題

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