村本 あき子, 中村 誉, 杉田 由加里, 武見 ゆかり, 中村 正和, 林 芙美, 真栄里 仁, 宮地 元彦, 横山 徹爾, 和田 高士, 津下 一代
人間ドック 30(3) 623-631 2015年9月
目的:保健指導に関する技術について書面調査を行い、生活習慣改善支援をするために必要なことを抽出することを目的とした。方法:平成26年度人間ドック健診情報管理指導士ブラッシュアップ研修会受講者982人のうち、有効回答を得た842人(医師351人、保健師305人、管理栄養士186人)を対象とした。保健指導者の習得度に関する調査票を用い、研修会開始時に書面により習得度を4段階で自己評価した。習得度を項目ごとに全体と職種別に分析、保健師の一部については保健指導経験年数別に分析した。結果:習得度は、全体として個別支援に関する項目で高いのに対し、集団的支援は低かった。AUDITを用いた適正飲酒支援、ABC/ABR方式に基づく禁煙支援等の節酒や禁煙に関する具体的な支援に関する項目が低かった。運動リスクマネジメントの習得度は医師で高いのに対し、保健師・管理栄養士では低かった。特定保健指導の制度に関する項目は保健師・管理栄養士で高かった。食事に関する項目は管理栄養士で高く、医師・保健師では低かった。経験年数が長い群で、特定保健指導のしくみや評価、身体活動に関する項目、酒・たばこと生活習慣病の関連等で有意に習得度が高かった。結論:保健指導効果を高めるためには、習得度が低い項目に重点をおいた研修会内容にすること、多職種が連携し補完しあうことが望ましいと考えられた。(著者抄録)