浜部直哉, 馬場明子, 前田未野里, 勝岡弘幸, 種石始弘, 久松奨, 野田勝二
園芸学研究 19(4) 331-335 2020年10月15日 査読有り最終著者
‘ヒュウガナツ’ の枝変わり品種で単為結果性を有する ‘古山ニューサマー’ について,開花期にネットを被覆して訪花昆虫の侵入を防止した条件下における無核果の着果量,着果特性,果実品質を ‘ヒュウガナツ’ と比較した.樹冠占有面積当たりの無核果の収穫果実数は ‘古山ニューサマー’ で多く,単為結果による無核果のみで ‘ヒュウガナツ’ で目安とされる適正着果量程度の着果が得られることが示唆された.着果特性を検証した結果,‘古山ニューサマー’ は,‘ヒュウガナツ’ に比べて無葉果の着果が多くみられ,これが着果量が多かった要因であると考えられた.また,無核の ‘古山ニューサマー’ の果肉歩合は ‘ヒュウガナツ’ に比べて大きく,手で剥皮した場合の可食部が大きいことが明らかになった.得られた ‘古山ニューサマー’ の無核果について,果実品質を決定づける着果特性を決定木分析を用いて検証したところ,地上高142.5 cm以上,結果母枝長12.25 cm以上,結果枝葉数0.5枚以上を満たすことが,大玉かつ高糖低酸の高品質な果実となる条件であった.このことから,樹体の日当たりを良好に保ち,かつ樹勢を強く維持することが ‘古山ニューサマー’ の高品質な無核果生産において重要であることが推察される.