研究者業績

久保 光徳

クボ ミツノリ  (Mitsunori Kubo)

基本情報

所属
千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 名誉教授
学位
工学博士(1989年3月 東京大学)
工学修士(1986年3月 東京大学)

連絡先
mkubofaculty.chiba-u.jp
J-GLOBAL ID
200901029827610581
researchmap会員ID
1000010563

論文

 55
  • デザイン学研究 41(1) 67-74 1994年  
  • 寺内文雄, 青木弘行, 大釜敏正, 久保光徳, 鈴木つとむ
    デザイン学研究 41(103) 11-18 1994年  
    木材自体のニオイ再現を目的として,7樹種の針葉樹材部から熱水蒸溜法と超臨界二酸化炭素抽出法により,木材精油を抽出した。これら抽出物のニオイ評価を20対の評価尺度を用いた官能評価実験により検討し,木材のニオイと比較した。因子分析法を用いて解析した結果,これらのニオイの評価構造は,生活空間を構成する材料のニオイ評価の場合と同様〔認容性・嗅質性・力量性〕の3因子で構成されていることが明らかとなった。また,熱水蒸溜物では香り立ちの鋭さが,超臨界二酸化炭素抽出物では各樹種特徴香気が力量性因子の評価と関連していることが判明した。一方,木材精油と木材のニオイの評価差を検討した結果,熱水蒸溜物では〔スギ・ダグラスファー・ヒノキ・ヒノキアスナロ〕のニオイをほぼ再現でき,後者の超臨界二酸化炭素抽出物は,〔ヒノキ・ダグラスファー〕といった快い部類に属するニオイを再現できることを確認した。
  • 寺内文雄, 青木弘行, 大釜敏正, 久保光徳, 鈴木つとむ
    デザイン学研究 40(97) 19-26 1993年  
    本研究は,生活に関わる11種類の材料を対象に,これらの材料の「材料らしさ」を構成する要因を抽出し,理解しやすい形で整理することを目的とした。材料イメージを直感的に理解するために,グラフ理論を用いて,材料イメージの(1)階層構造モデル,(2)2次元構造モデルを作成し,検討を行った。その結果,階層構造モデルによって,イメージの連想過程やその流れをわかりやすく表現できた。そして,これらを構成するイメージ項目から材料を,1)感覚項目主導型,2)機能項目主導型,3)両項目共存型の三種類に分類することができた。また二次元構造モデルから個々の材料の特徴か容易に理解でき,そのパターンから,1)イメージ収束型,2)イメージ分散型,3)中立型に分類することができた。これらの構造モデルを併用することで,材料イメージの理解がより一層容易になり,そのイメージによって,材料は天然有機材料,天然無機材料,人工合成材料,その他に分けられて認識されていることが明らかとなった。
  • KOU P H, 青木弘行, 久保光徳, 鈴木つとむ, 上原勝
    デザイン学研究 40(100) 43-50 1993年  
    次世代先端複合材料として注目を集めているハイブリッド複合材料によるバネ材の開発を目的として、強化繊維組成の違いによるハイブリッド効果の検討を行った。実験に使用した強化繊維組成はクロス材と一方向強化材の二種類とし、クロス材の場合はケブラーとガラス繊維による混織組成(平織、綾織、朱子織)とした。一方、一方向強化材の場合は、4種類の繊維(ケブラー、ガラス、ベクトラン、カーボン)を用いて、一元系、二元系、三元系組成を構成し、積層構造の違いや繊維構成比率を変化させた。両強化材を用いたハイブリッド複合材料の力学的特性は、曲げ試験法により解析した。その結果、ケブラーとガラス繊維によるクロス材と、ベクトランとガラス繊維による一方向強化材(非対称構造)が良好な特性(高強度・高エネルギー吸収能)を有していることが判明した。そこで、これら両者を用いたハイブリッド複合材料を想定し、複合則を用いて強度の推定を行い、バネ材としての実現可能性を検証した。

MISC

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  • 楊 鵬, 古川 侑佳, 久保 光徳, 田内 隆利
    日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会 68 巻(3A-01) 2022年2月  
  • 王 健, 久保 光徳
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 66 318-318 2019年  
    <p>本研究は、地域に点在する歴史的な社寺彫刻の形態に潜んでいる造形傾向を解明し、それらを制作した彫物大工の「作風」を言語化することを目的としている。これによって、その造形を構成する普遍的な表現方法をわかりやすく示すことにより、急速に失われつつある地域性の高い造形・デザインへの再考の機会を提示するとともに、貴重な造形知として現在に活かすことを模索したいと考えている。ケーススタディの一つとして、江戸時代後期に制作された千葉県下の代表的な社寺彫刻の一つである「波」と「龍」の彫り物の2形態の特徴的な部位に注目し、この二つの彫刻に対する3D形状スキャンニングから得られるポリゴンメッシュで再構成されるCADモデルに対する形態分析を実施した。形態分析においては、ポリゴンメッシュから算出される曲率分布から読み取ることができる形態特徴線に従った形態構成要素への分解を試みた。その結果、「波」の造形に潜む「ラミネート層」の造形傾向と「龍」の造形に潜む「連続する球体」の造形傾向を読み取った。最後に、それぞれの造形傾向を伊八と義光の作品の展覧会で鑑賞者に分かりやすく伝えるために、両者の作風を視覚化するモデルを製作した。</p>
  • 楊 鵬, 久保 光徳, 植田 憲, 田内 隆利
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 65 116-117 2018年  査読有り
    浄真寺(東京都世田谷区)の九品印相の造型に対する形態分析と印象評価を実施し,九品印相から受ける印象とその形態との関係,さらには宗教的意味との関係性を解明することを目的とした。九品印相(上品上生,上品中生,上品下生,中品上生,中品中生,中品下生,下品上生,下品中生,下品下生)のうち,修理中の印相(中品上生)を除き,八体の印相の3D データを取得するとともに,その形態に対する印象評価を目的とした印相CADデータの再現を試みていた。また同時に,この印相CADデータに対する曲率分布解析,特徴線の抽出,重力下での応力構造解析も実施し,テクスチャや印相形態以外の情報を外すことで単純化された印相モデルに対する印象評価を実施した。印象評価から,数量化三類で構成する三つの要因としては「安定性」,「活動性」,「力量性」で定義できることが明らかとなり,印相それぞれが持つ本来の宗教的意味である「安定」,「説法」,「救済(力)」と合致することを考察した。また,構造解析より求められた重心位置と応力分布及び印相形態(手指の配置)との比較検討より,重心位置が「安定性」および「安定」に対して影響を与えていることを考察した。
  • 久保光徳
    日本デザイン学会研究発表大会概要集(CD-ROM) 65th 106-107 2018年  
    一般的なベビーカーの振動特性と特性を二次元的に再現する簡易振動モデルの開発の可能性を検討した。振動モデルを定義するにあたり、簡略化されたフレームモデルのように機構学的に高精度なモデリングではないが、乳母車の形状とその動特性を直観的に把握することが可能である。オリジナルのベビーカーの雰囲気を残しながらモデリングを試み、そのダイナミックな特性を体験し、その振動特性を測定し、2つの基本的な振動特性と特性を把握し、整理した。これにより得られた知見に基づいて、2次元に投影されたベビーカーの振動シミュレーションモデルを提案しようとした。

講演・口頭発表等

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  • 王 健, 久保 光徳
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2019年 一般社団法人 日本デザイン学会
    <p>本研究は、地域に点在する歴史的な社寺彫刻の形態に潜んでいる造形傾向を解明し、それらを制作した彫物大工の「作風」を言語化することを目的としている。これによって、その造形を構成する普遍的な表現方法をわかりやすく示すことにより、急速に失われつつある地域性の高い造形・デザインへの再考の機会を提示するとともに、貴重な造形知として現在に活かすことを模索したいと考えている。ケーススタディの一つとして、江戸時代後期に制作された千葉県下の代表的な社寺彫刻の一つである「波」と「龍」の彫り物の2形態の特徴的な部位に注目し、この二つの彫刻に対する3D形状スキャンニングから得られるポリゴンメッシュで再構成されるCADモデルに対する形態分析を実施した。形態分析においては、ポリゴンメッシュから算出される曲率分布から読み取ることができる形態特徴線に従った形態構成要素への分解を試みた。その結果、「波」の造形に潜む「ラミネート層」の造形傾向と「龍」の造形に潜む「連続する球体」の造形傾向を読み取った。最後に、それぞれの造形傾向を伊八と義光の作品の展覧会で鑑賞者に分かりやすく伝えるために、両者の作風を視覚化するモデルを製作した。</p>
  • 久保光徳
    日本デザイン学会研究発表大会概要集(CD-ROM) 2018年 一般社団法人 日本デザイン学会
    一般的なベビーカーの振動特性と特性を二次元的に再現する簡易振動モデルの開発の可能性を検討した。振動モデルを定義するにあたり、簡略化されたフレームモデルのように機構学的に高精度なモデリングではないが、乳母車の形状とその動特性を直観的に把握することが可能である。オリジナルのベビーカーの雰囲気を残しながらモデリングを試み、そのダイナミックな特性を体験し、その振動特性を測定し、2つの基本的な振動特性と特性を把握し、整理した。これにより得られた知見に基づいて、2次元に投影されたベビーカーの振動シミュレーションモデルを提案しようとした。
  • YANG Peng, 久保光徳, 植田憲, 田内隆利
    日本デザイン学会研究発表大会概要集(CD-ROM) 2018年 一般社団法人 日本デザイン学会
    浄真寺(東京都世田谷区)の九品印相の造型に対する形態分析と印象評価を実施し,九品印相から受ける印象とその形態との関係,さらには宗教的意味との関係性を解明することを目的とした。九品印相(上品上生,上品中生,上品下生,中品上生,中品中生,中品下生,下品上生,下品中生,下品下生)のうち,修理中の印相(中品上生)を除き,八体の印相の3D データを取得するとともに,その形態に対する印象評価を目的とした印相CADデータの再現を試みていた。また同時に,この印相CADデータに対する曲率分布解析,特徴線の抽出,重力下での応力構造解析も実施し,テクスチャや印相形態以外の情報を外すことで単純化された印相モデルに対する印象評価を実施した。印象評価から,数量化三類で構成する三つの要因としては「安定性」,「活動性」,「力量性」で定義できることが明らかとなり,印相それぞれが持つ本来の宗教的意味である「安定」,「説法」,「救済(力)」と合致することを考察した。また,構造解析より求められた重心位置と応力分布及び印相形態(手指の配置)との比較検討より,重心位置が「安定性」および「安定」に対して影響を与えていることを考察した。
  • 久保光徳, 植田憲
    日本デザイン学会研究発表大会概要集(CD-ROM) 2017年 日本デザイン学会
    千葉県匝瑳市木積に伝えられる藤箕(国指定重要無形文化財)への形態分析を実施した。その結果,この箕の形態は,イタミと呼ばれる平面状の基本形に,ウデキと呼ばれる弾性体の復元力を用いて,その特徴的な曲面を生成していることが確認できた。この曲面生成過程において,イタミとウデキの,主に曲げ変形に対する材料特性の均一性が,箕としての最終形態の完成度に大きな影響を与えることが確認された。そして,その曲面が自然で合理的な形であるエラスティカに類似したものであることを示唆した。
  • 久保光徳, 植田憲
    形の科学シンポジウム講演予稿集(Web) 2017年

担当経験のある科目(授業)

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共同研究・競争的資金等の研究課題

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