寺内文雄, 青木弘行, 大釜敏正, 久保光徳, 鈴木つとむ
デザイン学研究 40(97) 19-26 1993年
本研究は,生活に関わる11種類の材料を対象に,これらの材料の「材料らしさ」を構成する要因を抽出し,理解しやすい形で整理することを目的とした。材料イメージを直感的に理解するために,グラフ理論を用いて,材料イメージの(1)階層構造モデル,(2)2次元構造モデルを作成し,検討を行った。その結果,階層構造モデルによって,イメージの連想過程やその流れをわかりやすく表現できた。そして,これらを構成するイメージ項目から材料を,1)感覚項目主導型,2)機能項目主導型,3)両項目共存型の三種類に分類することができた。また二次元構造モデルから個々の材料の特徴か容易に理解でき,そのパターンから,1)イメージ収束型,2)イメージ分散型,3)中立型に分類することができた。これらの構造モデルを併用することで,材料イメージの理解がより一層容易になり,そのイメージによって,材料は天然有機材料,天然無機材料,人工合成材料,その他に分けられて認識されていることが明らかとなった。