藤川 大祐, 渡邉 文枝, 見舘 好隆, 小野 憲史
日本教育工学会2021年秋季全国大会 2021年10月16日
発表者らは,「学校で特段求められるもの以外で,自分が好きだと思えるなんらかのことがらについて,独自の仕方で発揮できるマニア的な能力」(藤川2020a)、あるいは「趣味として何らかのことがらに没入することによって獲得/伸長されることが期待される能力であり,他の領域においても活かせると考えられるもの」(渡邉ほか 2021)として定義される「オタク力」に着目し,「オタク力」を高めることを通して学力を向上させたりいじめを防止したりすることを実現できるような教育のあり方について検討し,オタク力尺度の作成(渡邉ほか2021)等の研究を進めている。
本発表は,こうした一連の研究の着想の契機となった「オタク」という概念について,この概念がどのようなものとして使用されてきたか,「オタク」という語にどのような意味が付与されてきたかについて,意味論をはじめとする記号論や言語学の知見を参照して検討するものである。