研究者業績

椎名 武夫

シイナ タケオ  (Takeo Shiina)

基本情報

所属
千葉大学 大学院園芸学研究院先端園芸工学講座 教授
農研機構食品研究部門 (客員研究員)
学位
博士(農学)(筑波大学)

J-GLOBAL ID
200901039707939690
researchmap会員ID
0000050105

外部リンク

学歴

 1

受賞

 8

論文

 206
  • 河野澄夫, 椎名(小野寺)武夫, 金子勝芳, 岩元睦夫
    園芸学会誌 56(1) 101-106 1987年  査読有り
    選果工程中に受ける落下衝撃と輸送中の振動が温州ミカン果汁のにおい (異臭) に及ぼす影響について検討した. ガスクロマトグラフによる揮発性成分の分析結果を, 主成分分析法を用いて解析し, 次の結果を得た.<br>1. 温州ミカン果汁の揮発性成分は, 試料注入後30分以内にガスクロマトグラムに主要な10個のピークとして現れる. 各成分の中で, エタノールの占める面積が最も大きく成分全面積の80%に及ぶ. 次いで, アセトアルデヒドが大きく全面積の10%を占める.<br>2. 落下処理された果実では, 果汁内にエタノール,アセトアルデヒド並びにその他幾つかの揮発性成分が蓄積する. 振動処理の場合も同様な傾向を示すが, 影響の度合いは落下処理ほど明確でない.<br>3. ガスクロマトグラム上のピークP1~P6までの6成分を変数 (特性値) として主成分分析を行った結果, 第2主成分までで80%の情報を集約できる.<br>4. 第1主成分は, 揮発性成分の総量を, また, 第2主成分は, 成分の組成を表す要因と考えられる.<br>5. 第1主成分と第2主成分による散布図において, 落下処理を受けた果実は, 対照区, 振動区のものと明確に区別できる. また, 落下処理を受けた果実のうち30回処理のものは, 10回, 20回のものに比較して, 揮発性成分の総量は減少する. 組成としては, 相対的にエタノールに対しアセトアルデヒドが増加する.<br>6. 温州ミカン果汁の揮発性物質に及ぼす影響は振動処理よりも落下処理の方が大きい.
  • 菅原渉, 河野澄夫, 椎名武夫, 太田英明
    日本食品低温保蔵学会誌 13(3) 16-22 1987年  査読有り
    夏期における一次加工野菜生産工場の冷蔵庫, 配送車および店舗内冷蔵庫を通してカットレタスの温度管理の実態を測定した。同時に, 1, 5, 10およ、び20℃におけるナイロン/ポリエチレン60μm小袋に脱気包装されたカットレタスの品質変化について検討を加えるとともに, 砕氷, 蓄冷剤および発泡スチロール箱を用いた簡易・迅速な低温配送方法を開発した。<BR>結果は以下の通りである。<BR>(1) 夏期におけるカットレタス製造後の保管流通温度 (庫内温度) は512℃であった。この温度条件下でのカットレタスのシャルフライフは3日以内であった。<BR>(2) 実験室規模のモデル試験では, カットレタスの貯蔵安定性は, 1℃で14日間, 5℃で57日間, 10℃で35日間, 20℃で13日間であった。本条件下での品質低下は, 嫌気呼吸に伴う異臭の発生が主であり, 主要成分としてエチルアルコールが検出され高温貯蔵温度区ほど発生量が増大した。<BR>(3) 発泡スチロール箱による簡易低温貯蔵方法では, 貯蔵前にカットレタス品温をできる限り速やかに低下させることが重要であった。冷却方法としては, 品温低下の点で砕氷が有効であると考えられた。<BR>これらの結果に基づいて, 発泡スチロール, 砕氷からなるカットレタスの貯蔵・流通法を設定した。
  • 河野澄夫, 川嶋浩二, 小野寺武夫, 岩元睦夫
    食品総合研究所研究報告 46(46) 127-135 1985年  査読有り
  • 河野澄夫, 小野寺武夫, 早川昭, 川嶋浩二, 岩元睦夫
    食品総合研究所研究報告 45(45) 86-91 1984年  査読有り
    業務用一次加工野菜の品質保持技術に関する基礎資料を得るため,供試材料としてカットキャベツを用い,ポリエチレンフィルムで小袋包装した場合の保存温度および包装条件の品質に及ぼす影響について検討し,次の結果を得た。(1) 予備実験として行った5日間保存したカットキャベツの官能検査において,萎凋,変色,異臭,腐敗の検査項目の中で特に変色および異臭に特徴ある傾向が観察された。(2) 保存中の小袋内の炭酸ガス濃度は指数関数的に増加し,酸素は逆に減少した。炭酸ガス濃度の増加する速度は保存温度が高いほど,また袋が厚いほど速かった。酸素濃度の減少する速度も同様の条件において速かった。(3) 5日間保存後には,いくつかの実験区において異臭の原因になるエタノールが発生し,その濃度は保存温度が高いほど,袋が厚いほど高くなった。エタノールの発生条件を確認するため,カットキャベツを詰めたガラス密封容器内のガス組成を測定した結果,容器内の酸素濃度が2~3%に達した点でエタノールの発生が認められた。(4) 5日間保存後には,いくつかの実験区においてカットキャベツに褐変が発生し,その褐変度は保存温度が高いほど,また袋が薄いほど大きくなった。(5) 5℃で5日間保存すると,HDPE10μ区(酸素濃度4.3%)では褐変が,LDPE40μ(酸素濃度2.2%)およびLDPE80μ(酸素濃度1.1%)ではエタノールが発生することから,カットキャベツの保存のための最適酸素濃度は2.2%より高く,4.3%より低い範囲にあると思われた。(6) 試験に用いた包装材の中でカットキャベツの品質保持が最も良好であったLDPE40μで小袋包装した場合のカットキャベツの各温度における品質保持期間は,10℃で3日以内,5℃および1℃で7日間以上であった。
  • 河野澄夫, 小野寺武夫, 早川昭, 岩元睦夫, 太田英明, 菅原渉
    園芸学会誌 53(2) 194-201 1984年  査読有り
    生食用クリの長期貯蔵技術の確立を目途に, 貯蔵前処理としての予冷を強制通風予冷, 差圧予冷, 真空予冷の3予冷方式について検討するとともに, ポリエチレン小袋包装による低温貯蔵試験を行い, クリの適正貯蔵条件について検討した. 結果の概要は次のとおりであった.<br>1. 強制通風予冷, 差圧予冷, 真空予冷の3種類の予冷の中で, 真空予冷による冷却が最も速く, 次いで差圧予冷, 強制通風予冷の順であったが, 真空予冷の場合,冷却後クリの表皮に白い模様が発生するため, 官能検査では悪い評価を得た. 総合して三つの予冷方式の中で差圧予冷が最も有望な方式と考えられた.<br>2. 予冷中の目減りは, 差圧予冷で1.6%, 真空予冷で2.8%であった. 真空予冷の場合, 蒸発の潜熱がすべてクリの冷却に使用されたと仮定して計算した結果とほぼ同じ値を示した.<br>3. 貯蔵中のカビの発生度は, 貯蔵温度が高いほど,貯蔵期間が長いほど大きくなり, 10°Cで4か月以上あるいは5°Cで6か月以上貯蔵するとほぼ全部のクリが腐敗した.<br>4. クリ果肉の弾性係数は果肉の方向によって異なり, 1°C貯蔵の場合, 果実中心を通り座に平行な断面の長径方向において貯蔵中変化が認められた.<br>5. ショ糖含量は, 1, 5, 10°Cとも貯蔵前期に急激に増加し, 特にその傾向は低温において著しかった. でんぷん含量はそれと全く反対の傾向を示した.<br>6. 貯蔵適性について, LL果とL果を比較すると,目減りが少ないこと, 呼吸速度が小さいことからLL果の方が貯蔵に適していると判断された.<br>7. クリの各温度における品質保持期間は, 10°Cで1か月, 5°Cで2か月, 1°Cで3か月であった.
  • 早川昭, 河野澄夫, 岩元睦夫, 小野寺武夫
    食品総合研究所研究報告 43(43) 109-115 1983年  査読有り
    真空予冷装置の利用拡大を目途に,供試材料として,レタス,ナス,キュウリ及びニンジンを用いて真空冷却試験を実施し,果菜及び根菜の真空冷却の可能性について検討した。1. 真空冷却では,標準品目であるレタスが最も冷えやすく,次いでニンジン,ナス,の順で,キュウリが最も冷えにくかった。2. 品温を10℃降下させるのに必要なレタス,ナス,ニンジンの水分蒸発量(目減り量)は,理論値より大きく,それぞれ2.1,2.8,3.4%であった。この目減りはプリウエッティングすることにより,ある程度低下させることが可能であった。3. 真空冷却で効率よく冷却するには,産物が,表皮に充分な水分が存在するかあるいは内部から急速に水分の補給がなされるかの条件を満たす必要がある。ナス,キュウリ,ニンジンではこの条件を満足させるのは困難であった。4. 真空冷却が冷却後の野菜類の品質にどう影響するかを調べるため,ナス,キュウリについて弾性計数及び呼吸速度を測定した結果,空気予冷品との間に有意差は認められなかった。

書籍等出版物

 48

講演・口頭発表等

 205

担当経験のある科目(授業)

 3

共同研究・競争的資金等の研究課題

 13